今回は、英検1級の受験を検討されている方に向けて、
どうすれば効率よく合格できるの?
というテーマで英検1級について徹底解説したいと思います。
前半では【試験の概要】を、
後半ではわたしが行った【各分野の勉強法】を紹介します。
わたしは、2019年第1回の英検1級を受験しました。
1次試験まで4か月ほどの準備期間で合格しましたので、
最近の傾向を踏まえた体験談をシェアできればと思っています!
Contents
英検1級の試験概要
英検1級は、一次試験(リーディング・ライティング・リスニング)と二次試験(スピーキング)に分かれています。
一次試験に合格した受験者だけが、二次試験の面接に進めます。
二次試験にも合格すると、晴れて英検1級合格となります。
英検CSEスコア(各技能の満点スコア:850)という統計的に算出される評価をもとに合否が判定されます。
大まかな合格ラインは、各技能の正答率が7割程度とされています。
一次試験の合否は、
リーディング・ライティング・リスニングの3技能の合計が合格基準スコア(2028)に達しているかどうか
二次試験(面接)の合否は、
スピーキングのスコアが合格基準スコア(602)に達しているかどうか
で判定されます。
一次試験(筆記試験とリスニング)
それでは、まず一次試験の内容からチェックしてみましょう。
一次試験は①筆記と②リスニングで構成されます。
①:筆記試験(100分)
大問1~3がリーディング、大問4がライティングとなっています。
大問ごとに、具体的な出題パターンと解答のポイントを簡単にお話しますね。
大問1:語彙問題(25問)
21問が単語、4問が熟語の穴埋め問題です。
ポイントは「英検1級の単語を覚えているか」のみです。
後半でも触れますが、結論から言うとパス単を3か月回せば7割は確実に取れます。
大問2:語句空所補充問題(6問)
長文の中の空所にあてはまる語句を4つの選択肢から1つ選ぶ問題です。
長文は2本出題され、それぞれに3か所ずつ空所が用意されています。
空所の前後だけを読むのではなく、文章全体を読んで話の流れを掴むと解きやすいです。
大問3:内容一致問題(10問)
長文を読んで、内容に一致する選択肢を4つの中から1つ選ぶ問題です。
全部で3本出題され、最初の2本は各3問、最後の1本だけ4問出題されます。
ポイントは、問題を先に読んでから長文を読み始めることです。
大まかな内容と拾うべき情報がわかるので、効率的に問題を解くことができます。
大問4:英作文(1問)
提示された質問に対して、3つの理由を挙げて自分の意見を論じる問題です。
全体で200~240語程度にまとめることが求められます。
英作文が超ニガテなのでポイントをお伝えするのは難しいのですが、
「そもそも書く内容(アイデア)が浮かばない…」という方は、まず英検1級英作文問題完全制覇でネタをたくさん仕入れることをおすすめします。
②:リスニング(約35分)
筆記試験後に35分間も英語を集中して聞くことがそもそも大変。
ほとんどの受験者がそう感じるはずですが、過去問演習を重ねるうちに少しずつ慣れてきます。
筆記試験中にリスニングの問題を見ることは禁止されていないので、
筆記が早く終わったらリスニングの準備にあてましょう。
とても有利になります。
大問1:会話の内容一致問題(10問)
2人or3人の会話を聞いて、質問に対する最も適切な答えを選ぶ問題です。
TOEICのように質問が問題用紙に印刷されていないので、先読みができないのが難しいポイント。
選択肢にさらっと目を通しつつ、とにかく会話を聞きもらさないように集中することが大切だと思います。
大問2:説明文の内容一致問題(10問)
ナレーションを聞いて、質問に対する最も適切な答えを選ぶ問題です。
大問1と同様、質問が問題用紙に印刷されていないので、聞こえてくる英文の流れをしっかりと掴めるように耳を澄ましましょう。
内容がやや専門的なうえ、1つの文章(パッセージ)に対して2つの質問があるため、大問1よりも正確な聞き取りが求められます。
個人的にはリスニングで一番手ごわいパート。
全問正解だ!と意気込むよりは、1つの問題で悩んでしまって次の問題を聞き逃す…といったミスをしないことをまずは心がけたほうがよいかもしれません。
大問3:リアルライフ(5問)
あらかじめ問題用紙に印刷されている状況(Situation)を読んだうえで、実生活に即したアナウンスや指示文を聞いて、同じく印刷されている質問(Question)に答える問題です。
音声が流れる前に10秒間が与えられ、状況と質問が事前に読めるので、他と比べればやや解きやすいパートだと思います。
大問4:インタビュー(2問)
インタビューを聞いて、その内容に合致する選択肢を選ぶ問題です。
3分~3分半と結構長めの会話が流れてきます。
このパートでも質問が印刷されていないので、とりあえず内容を全部聞き取るようにしていました。
ただし、筆記試験中やリスニング試験の合間に選択肢を先読みする時間が取れれば、ある程度質問が予測できます。
そうすれば、しっかり聞き取るべき箇所に的を絞って聞くことも可能です。
二次試験(スピーキング)
二次試験は10分程度の個別面接です。
面接官はネイティブスピーカーと日本人の2名。
簡単な日常会話(仕事や趣味など)を行ったあと、
カードに書かれた5つのトピックから1つを選択して2分間のスピーチを行い、
スピーチに関する面接官の質問に答えます。
トピックとなるのは少子高齢化や環境問題など、社会性の高い話題です。
新聞やニュースでよく取り上げられる話題について、なにかしらの意見を言えるようにすることが準備の第一歩となります。
また、普段あまり英語で話す機会がない場合は、オンライン英会話などを活用して人と会話をすることに慣れておいたほうがよいでしょう。
英検1級の分野別勉強法
次に、わたしが行った4技能別の攻略法をざっくり解説したいと思います。
リーディング
なんといっても語彙問題(大問1)対策が最重要です。
ここでつまづくと、得点はもちろんのこと、時間もあっという間に過ぎてしまうので大問2以降にも響きます。
逆にいえば、語彙問題を攻略できれば、後に続く読解問題&英作文にあてる時間が確保できるので、安定した高スコアが狙えます。
また、語彙対策は、読解力アップにも直接つながります(語彙対策として覚えた単熟語が長文にもたくさん出てくるからです。)。
わたしの勉強法はパス単1冊をひたすら繰り返すというものです。
いろんな単語帳に手を出したところで覚えきれないだろうということで、
思い切って1冊に絞りましたが、これでまったく問題ありませんでした。
なお、パス単には各単語の日本語訳以外に対義語や類義語も載っていますが、
これらを覚えなくても合格ラインは超えられます。
参考記事①:英検1級単語の覚え方まとめ【この方法で満点取りました】
参考記事②:【英検1級】長文読解問題の勉強法と解き方のコツ
使用した参考書
パス単と過去問の2冊です。
リスニング
けっして英語が速くて聞き取れないわけでも、発音が不明瞭なわけでもないのに、なぜか点数が伸びない…それが英検1級リスニングの印象でした。
ほとんどの大問で「問題文の先読みができないこと」が難易度アップの原因かなという気がします。
とはいえ、1級受験者なら問題形式に慣れさえすれば合格ライン(=7割)には届くようになるはずです。
対策としては、過去問6回分を解いて復習というオーソドックスな流れが1番効果的だと思います。
もし試験直前になっても7割取れなかったら分野別問題集を足して強化してもいいですが、基本的に過去問だけで大丈夫です。
使用した参考書
過去問6回分をひたすら精聴しました。
ライティング
ライティング力以前の問題として、社会問題に対する知識のなさに苦労しました。
わたしと同じ状況で悩んでいる方は、「英検1級英作文問題完全制覇」という書籍で大量のサンプルを読み込むことからスタートしてみてください。
この本の内容さえ頭に入っていれば、英作文を何本も書かなくても十分合格点には届きますよ。
参考記事:【英検1級】英作文の勉強法と答案の作り方【ライティング苦手な人向け】
使用した参考書
英検1級で出題される社会問題が体系的にまとめられています。
この本で基本的な知識を付ければ、おおよそのトピックには答えられるようになります。
スピーキング(面接)
出題されるトピックは、筆記試験のライティングと似たような感じです。
引き続きジャパンタイムズ本を読み込むことで、さまざまな社会問題に関するネタを頭に入れることに取り組みました。
また、並行してオンライン英会話もほぼ毎日25分受講しました。
とにかく会話に慣れること、口から英語を出すことが目的です。
あとは、新聞やニュースサイトを読んで気になった記事をスクラップしたりノートに書き留めたりして、質疑応答への対策をしました。
これらの対策をした結果、かなり不安だった二次試験もなんとか突破できましたので、
私と同じくスピーキングに苦手意識がある方もぜひ取り組んでみてほしいです。
試験後には、スピーキング力が大きく伸びていることを実感できるはずですよ
参考記事:英検1級二次試験(面接)対策まとめ!参考書は1冊でOK
使用した参考書
英作文と面接はこれ1冊でOKです。
まとめ
今回は、英検1級の試験概要と勉強法について、私の経験を基にお話しました。
勉強を始める前に試験の全体像を把握することはとても大切です。
全体像を知ればスケジュールや戦略をスムーズに練ることができ、効率的に準備が進められます!
英検1級を目指す過程では心が折れそうになることもあるかもしれませんが(経験談)、
試験本番まであきらめなければ、合格に必要な力は付いているものだと思います。
この記事が、英検1級への挑戦に少しでもお役に立てればうれしいです。
