今回は1994年公開の名作映画「ショーシャンクの空に」から、日常生活で使える英会話フレーズと心に残る名言をピックアップしてみました。
公開から約30年が経った今もなお、世界中の人々から「傑作」と称賛される本作。
教養の高い主人公らの標準的な英語から、囚人が話すスラングまで、幅広い表現を学ぶことができます。
囚人の会話は省略や下品な言葉が多く、難易度が高め。
「試験の英語は聞き取れるんだけど、生の英語は難しい」と感じている中級者~上級者におすすめの作品です。
「ショーシャンクの空に」のあらすじ
時は1947年、第二次世界大戦直後のアメリカ。
エリート銀行員のアンディ(ティム・ロビンス)は、妻とその愛人を射殺した無実の罪で終身刑の判決を受け、ショーシャンク刑務所に収容される。
刑務所の過酷な環境の中、同じく囚人で調達屋のレッド(モーガン・フリーマン)と仲良くなるとともに、銀行員としての知識と経験を活かし、冷酷な看守や刑務所長にも一目置かれる存在となっていく。
刑務所でも自分の居場所を確立し、仲間にも認められる存在となったある日、新入りの囚人トミーがアンディの無実を証明できることが判明。
アンディは刑務所長に再審請求したいと訴えるが、不正蓄財を手伝わせているアンディを出所させたくない所長はこれを拒絶し、とんでもない行動に出る。
「ショーシャンクの空に」の英会話フレーズ11選
英会話フレーズ①:I really don’t remember.
日本語訳:本当に覚えていないんです。
簡単な単語しか使われていませんが、ここで注目したいのは「really」と「don’t」の語順。
✅ S really don’t V = Sは本当にVしていない
✅ S don’t really V = SはあまりVしていない
上記のとおり、語順が変わると意味も変わることに注意しましょう。
英会話フレーズ②:How’d it go?
日本語訳:どうだった?
「How did it go?」の「did」が省略され、「ハウディッゴー?」のように発音されています。
文字で読むと簡単ですが、「ハウディドイットゴー」と覚えていると理解できません。
英語はこのように短く省略されることが多いので、ネイティブが実際にどう発音するのか知ることが非常に重要ですね。
英会話フレーズ③:I know how you feel.
日本語訳:気持ちはわかるよ。
「あなたがどう感じているかわかる」、つまり「気持ちはわかるよ」という意味。
共感を示したいときに使える便利な表現ですね。
英会話フレーズ④:I guess he had a lot on his mind.
日本語訳:彼は頭がいっぱいだったんだろう。
✅have a lot on one’s mind = 気がかりなことがたくさんある
アンディについて語ったレッドのナレーションからの抜粋です。
この後「trying to adapt to life on the inside(=刑務所での生活に慣れようとして)」と続きます。
英会話フレーズ⑤:To tell you the truth, I haven’t made up my mind.
日本語訳:正直言うと、まだ決めかねてるんだ。
✅to tell you the truth = 正直言うと
✅make up one’s mind = decide = 決心する、決める
「to tell you the truth」の「you」は省略可能です。
他に「honestly speaking(正直言うと)」「frankly speaking(率直に言うと)」といった類似表現もあります。
英会話フレーズ⑥:Word gets around.
日本語訳:うわさが広がってるよ。
ここでの「word」は「うわさ」という意味。
「get around」は「動き回る」のほか、「(うわさなどが)広まる」という意味もある句動詞です。
Word gets around that Jane just got a promotion.
ジェーンが昇進したといううわさが広まっています。
英会話フレーズ⑦:I have trouble sleeping at night.
日本語訳:夜はよく眠れない。
✅have trouble Ving = Vするのに苦労する
汎用性の高い型なので覚えておきたいですね。
英会話フレーズ⑧:We go back a long way.
日本語訳:俺たちは付き合いが長いだろ。
直訳すると「長い道を戻る」となり、転じて「長い付き合いがある」という意味になります。
“I remember when we first met in college.”
「大学で初めて会ったときのことを覚えてるよ。」
“Yeah, we go back a long way. Those were some great times.”
「そうだね、長い付き合いになったね。あの頃は本当に楽しかったな。」
類似表現として、レッドがアンディとの関係について述べたセリフも紹介します。
“We’ve been friends a long time, so I know him as good as anybody.”
「俺らは長い付き合いだから、彼のことは誰よりもわかってる」
「as good as」は正しくは「as well as」ですね。
囚人たちの多くは教育をきちんと受けておらず、文法の間違いも多いです。
英会話フレーズ⑨:Feel bad. I let him down.
日本語訳:申し訳ないな。彼をがっかりさせちゃったよ。
✅feel bad = 申し訳ない、後悔する、気の毒に思う
アンディが高卒資格認定に向けて勉強を教えていた青年トミーのセリフ。
試験がうまくいかなかったと嘆いています。「him」はもちろんアンディのこと。
”feel bad”は「自分の気分が悪い」ではなく「相手に対して(自分が)悪いと思う」という意味です。
自分の気分が悪いときは”feel unconfortable”や”be in a bad mood”などで表現できます。
英会話フレーズ⑩:Smart as they come.
日本語訳:この上なく頭がいい。
✅as ~ as they come = この上なく、とてつもなく~だ
アンディを評したレッドの言葉。
省略せずに書くと”He is as smart as they come.”となります。
「めっちゃ~だ」と言いたいときはveryではなくas they comeを使った方がより気持ちが伝わりますね。
英会話フレーズ⑪:Do me a favor.
日本語訳:お願いがある。
実際のセリフは”Red, if you ever get out of here, do me a favor.”
「レッド、もし君がここから出られたら、お願いがある。」
二人の親しい関係あっての命令形なので、ふだん使うときは
”Can you do me a favor?”
「お願いしてもいい?」
と疑問文にするのが無難でしょう。
「ショーシャンクの空に」の名言3選
名言①:There’s something inside that they can’t get to, that they can’t touch. That’s yours.
日本語訳:心の中には奴らの手の届かない、奴らが触れない何かがあるんだよ。それは君のものだ。
本当はもっと長い文ですが、一部を抜粋しました。
ここでのtheyは刑務所長や看守たちを指しているものと思われます。
What are you talking about?(何の話をしてるんだ?)と尋ねるレッドにアンディが
“Hope.”
と答える名シーンです。
「Hope = 希望」はこの映画のキーワードと言えるでしょう。
ラストに向けた伏線にもなっています。
名言②:Get busy living… or get busy dying.
日本語訳:頑張って生きる…それか頑張って死ぬ。
出所したらメキシコのジワタネホという場所に行きたいと話すアンディに、レッドが「夢物語だ、刑務所にいるのが現実だ」と返す場面。
アンディは「結局は単純な選択になるのかもしれない。頑張って生きるのか頑張って死ぬのか」と言います。
この意味は深くは説明されないのですが、おそらくメキシコで自由に生きることを「頑張って生きる」、このまま刑務所で生活することを「頑張って死ぬ」と表現したものと理解しました。
アンディにとって自由と尊厳を取り返すために戦うことは生きること、現実を受け入れて刑務所にとどまることは死ぬことであり、どちらを選択しても大変だけど「生か死」のどちらを選ぶかの問題なんだ、という意味でしょうか。
シンプルなだけに、深く考えさせられるセリフですよね。
名言③:Remember, Red, hope is a good thing, maybe the best of things. And no good thing ever dies.
日本語訳:覚えておいて、レッド、希望は良いものだ。たぶん最高のものだ。そして良いものは決して滅びないんだ。
アンディがレッドに宛てた手紙の一節です。
刑務所にいたときにレッドが言った”Hope is a dangerous thing.(=希望は危険なものだ。)”と対になっています。
そのときの会話ではアンディは何も言いませんでしたが、その後の行動でレッドに「希望は危険なものなんかじゃなく、最高で不滅のものだ」と示したのですね。
生き様も言葉もかっこよすぎます🙏
おわりに
今回は映画「ショーシャンクの空に」から英会話フレーズと名言をご紹介しました。
人間の最も尊い部分と醜い部分を詰め込んだような作品ですよね。
目を背けたくなるようなことが次々と起こりますが、だからこそ結末に涙した方も多いのではないでしょうか。
アンディは超優秀で仲間への思いやりもあり素晴らしい人物ですが、何といっても凄まじいのがその精神力です。
フィクションではあるものの、苦しいときにはアンディの19年間を思い出すと少し頑張れる気がします。
ラストシーンは本当に素敵でしたね。
やはりティム・ロビンスとモーガン・フリーマンという名優あっての名作です。
教科書には絶対出てこない表現が満載で難しめですが、繰り返し見てリスニングとスピーキングの両方を鍛えたいですね。