先日、無事に英検1級に合格しました。
二次試験の面接後にすぐブログを書こうと思っていたのですが、失敗をやらかしたので結局合格発表まで何も手に付かず。。
この記事では、当日の面接の内容や雰囲気などをありのままにすべて語ります。
面接が不安で1級受験を迷っている方に「こんなんでも受かるのか…ちょっとやってみるか!」と思ってもらえたら嬉しいです。
詳しい結果はこちらで公開しています。
英検1級面接の体験談①:受付〜面接開始まで
まずは、面接会場に到着後の受付から面接試験が始まるまでの様子を振り返ります。
二次試験前の待合室の様子
当日は、集合時間の20分くらい前に会場に到着しました。
受付を済ませると「受験者証(兼)携帯電話等収納ケース」が渡されます。
スマホは電源を切ってこの袋に入れ、首からかけます。
会場内ではスマホなどの電子機器は一切使用できないので、ご注意ください。
案内された待合室に入ると、すでに半分くらいの席が埋まっていました。
会場が女子大だったからだと思うのですが、受験者が全員女性でちょっと驚きでした。
待合室はやはり引き締まった雰囲気でしたね。。
面接の参考書や自作のノートを眺めている人が多かったです。
このとき面接カードを記入するので、HB鉛筆かシャーペンを忘れないよう注意しましょう。
受験票を見ながら受験番号や氏名、受験会場などを書くだけです。
そうこうしているうちに開始時刻になりましたが、前のグループの面接が押していたようで、しばらく待ちました。
(係員の方が丁寧にお詫びされてました。)
結局、私が面接室に入ったのは集合時間の1時間20分後。
私は少しでも長く準備時間がほしかったのでよかったのですが、「早く済ませて帰りたい!」という方は集合時間の1時間くらい前に会場に到着したほうがよいです。
いよいよ面接室へ…!
待合室からいきなり面接室に入るのではなく、4人くらいずつ呼ばれて面接室の前に座って待機する時間がありました。このときが緊張MAXです。
面接室から他の受験者と面接官の話し声が漏れてきて、ノートの内容がなにも頭に入ってこなくなりました。笑
ここまで来るともう早く帰りたい気持ちでいっぱいに…(´;ω;`)
前の受験者の方が面接室から出てきた数分後、係員の女性が出てきたので面接カードを渡し、いざ突入しました!
英検1級面接の体験談②:いざ面接!
面接室に入り、Good afternoon!と挨拶すると、2人の面接官が笑顔で返してくれました。
面接官は向かって左が日本人の女性👩、右がネイティブ(イギリス人?)の男性👱でした。
「面接官との相性も結果を左右する」と言う人もいるので不安でしたが、すごく感じのよい方々でとりあえず安心。
ちなみに、日本人女性の英語がとってもカッコよくて聞き惚れてしまいました。
アメリカからの帰国子女だと思います(根拠なし笑)
ネイティブの男性から「どうぞ荷物を置いて座ってください」と言われたので、Thank you.と返して着席。
いよいよ面接スタートです。
(注1) 以下、実際の会話とは多少言い回しが違っているかと思いますが、大まかな内容は再現しています。かなり恥ずかしいです。
(注2) 私の英語は間違ってる可能性が高いので参考にしないでください。これでも受かるのね…という安心材料にのみ使ってください。
面接再現①:簡単な日常会話
ネイティブ面接官
>Tell me about yourself.
(自己紹介をお願いします。)
私
>I am a translator. I joined the current company about two years ago. This job is quite tough but interesting. I find my current work very attractive, because I can improve my English while receiving salaries.
(翻訳の仕事をしています。今の会社には2年ほど前に入社しました。この仕事はとても大変ですが、面白いです。お給料をもらいながら英語力を磨けるので、とても魅力を感じています。)
日本人面接官
>Do the translations have deadlines?
(翻訳に締め切りはあるんですか?)
私
>Yes. Clients sometimes require us to complete a translation within a day. So, sometimes we have to work overtime.
(はい。お客様からその日中に完成させるよう依頼されることもあるので、時には残業が必要になります。)
冒頭のスモールトークは、仕事の話題を中心に切り抜けました。
ここで聞かれることは大体決まっているので、スムーズにスピーチに移れるように軽く準備しておくことをおすすめします。
①仕事、②趣味、③どうやって会場まで来たか、④海外経験あたりを用意しておけば大丈夫です。
面接再現②:2分間スピーチ
次にトピックカード&スピーチの説明(=1分間で5つの中から1つのトピックを選び、2分間スピーチしてください)がありました。
そして、トピックカードをめくって衝撃を受けました。
私「(……全部難しい……😨)」
トピックの選び方については、事前に「上から順に確認し、話せそうなトピックが見つかったらその時点でスピーチの構成を考え始める」という作戦を立てていました。
しかし「話せそうなトピック」が見つからず(!)、結局5つのトピックすべてに目を通しました。
仕方なく消去法で「Agree or disagree: retirement age for politicians should be mandatory(政治家に定年を設けるべきか?)」を選択しました。
かなり焦っており、他の4つはなんにも覚えていません…。
この時点で残り30秒くらいだったと思いますが、論点2つをひねり出そうと必死でした。
あっという間にストップウォッチの「ピピピッピピピッ」という音が響き、スピーチを始めてくださいと言われます。
まだ論点を整理しきれていませんでしたが、もうとにかく2分間何か話し続けようと覚悟を決めました。
多少うろ覚えですが、こんな感じのスピーチです。
***
I agree with the idea that retirement age for politicians should be mandatory.
(政治家の定年制に賛成です。)
First of all, it is unfair that politicians have no retirement age, because people working for private companies or governments have retirement age.
Some of those people wish to continue working after reaching retirement age, but they can’t do that because of the current system. On the other hand, politicians can work until they die. This is certainly unfair.
(第一に、政治家に定年がないのは不公平です。なぜなら、民間企業や政府に勤める人々には、定年があるからです。こうした人々の中には、定年後も働き続けたいと考えている人もいます。しかし、現状の制度ではそれができません。その一方、政治家は死ぬまで働くことができます。これは明らかに不公平です。)
Second, we need young politicians because our society has been dramatically changing.
Many of the Japanese politicians are elderly people. This is because older politicians have more supporters than younger politicians. Increased number of young politicians is necessary to create better society.
(第二に、変化の激しいこの社会には、若い政治家が必要だからです。日本の政治家の多くは高齢です。これは、高齢の政治家のほうが若い政治家よりも多くの支持者がいるからです。若い政治家を増やすことが、よりよい社会には必要です。)
For these reasons, I believe mandatory retirement age should be established for politicians.
(これらの理由により、政治家にも定年を設けるべきだと考えます。)
***
途中で何度か詰まりつつ話して、だいたい2分ぴったりでした。
読んでもらったらわかるとおり、大したことはなんにも言っていません。
はっきり言って小学生レベルです。
でも、このスピーチで8/10点をいただきました。
そもそも、1分間の準備で素晴らしい内容のスピーチなんて期待されてないのだと思います。
高得点を目指すとなるとさらに準備が必要ですが、ひとまず合格を目指すうえではそれほど内容を気にする必要はありません。
私のようにスピーキングが苦手な人は「2分間をどうにかして埋める」ことだけに全神経を集中させるのがコツです。
面接再現③:Q&Aセクション
私はここで致命的なミスをしてしまい「絶対に落ちた…」と発表までの1週間ずっと凹み続けることになりました。
点数は7/10点でしたが、これはめいいっぱい甘くした採点だと思います。
英検の面接官は1~2つの失敗くらいでは落とさない(厳しい面接官もいるのかもしれませんが…)ので、
あくまで「英語で多少コミュニケーションがとれますよ」ということが伝われば、ギリギリ合格にしてもらえるのだと思いました。
ネイティブ面接官
>Why do you think old politicians have many supporters?
(なぜ高齢の政治家には多くの支援者がいるのだと思いますか?)
私
>Well,…I think that is because old politicians tend to inherit supporters from their parents. I mean, in Japan, many politicians’ parents are also politicians. After those parents retire, their children tend to run for election and become politicians. It is easier for those children to obtain support.
(そうですね…高齢の政治家は、その親から支援者を引き継いでいるからだと思います。つまり、日本では、多くの政治家の親もまた、政治家です。親が政界を引退したあと、その子どもが出馬して政治家になる傾向があります。そうした世襲政治家たちは、支援を得るのが容易です。)
⇒これです、私の致命的なミス。お気づきのとおり、質問に答えてないんです。
というか、意味不明です・・・(´・ω・`)
とっさに高齢の有名世襲政治家たちが頭に浮かんでしまってこう話したのですが、私の回答だと高齢の政治家が多くの支持を集める理由にはなってないですよね。
むしろ、政治家の親が高齢になって引退して、その子ども(=若い政治家)が選挙に出て当選するということになる。
面接官は顔色を変えずに聞いてくれましたが(おかげでトンチンカンな方向に行ってることに気付かなかった…)、これはQ&Aセクションで最もやってはいけないミスだったと本当に反省しています。。
他の1級受験者の方が「けっこう話せたつもりなのに落ちてた」と言っていたことがあり不思議に思っていたですが、このミスをされてたのかも…?と推測します。
必死に答えていると、そもそも趣旨がずれていることに気づきづらいんですよね。
当たり前すぎるのですが、質問をよく聞いて理解しないと、とんちんかんな回答をしてしまうので、ぜひ私を反面教師にしてください。。
もし今からやり直せるのだとしたら、質問を復唱(パラフレーズ)するか、質問をもう一度繰り返してもらうよう頼んで、いったん落ち着く時間をもらいます。
その上で、たとえば
①高齢の政治家は、当選を何度も繰り返していることが多い。そのため、知名度が高いのが選挙では有利に働いているのではないか
②また、地元の業界団体や有力者とも長年の関係を築いていることが多い。日本人は付き合いを大事にする傾向が強いので、一度支持基盤を固めるとそれが永続化するケースが多いと思われる
といったことを答えると思います。
日本人面接官
>Why we Japanese have an extremely few female politicians?
(どうして日本には女性の政治家が極端に少ないのでしょうか?)
なぜ急に女性の話?と戸惑いましたが、今思えばその前の質問で雲行きが怪しかったので、話題を替えてくれたのかもしれません。
私
>I read an news article recently reporting that Japanese female politicians are subject to sexual harassment by male constituents. Also, they are suffering from sexual discrimination. Unfortunately, those old-fashioned bias toward women are deeply rooted in Japanese society.
(最近ある新聞記事を読んだのですが、日本では女性政治家が男性有権者からセクハラを受けているそうです。女性政治家は、性差別にも遭っています。残念なことですが、女性に対するこうした前時代的な偏見は、日本社会に根強く残っています。)
この質問も下手したら何も答えが浮かばなかったです。。
でも奇跡的に、数日前に同じ話題の新聞記事を読んでいたのでなんとか助かりました。(これもあまり良い答えにはなっていませんが。)
新聞は現在進行形の「生きた」情報を扱っているので、ある意味では対策本よりも有効な面接対策になると思います。
日本人面接官
>How can we have more female politicians?
(どうしたら日本でも女性政治家が増えるのでしょうか?)
私
>Well…, that’s a difficult question. There are so many factors related to that problem. Well…, first, the current (→incumbentと言いたかった) female politicians should hold a meeting at universities or high schools for female students, in order to share their unique experience and tell them how they enjoy their work as politicians.
Anyway, we have to encourage young people to become interested in politics.
(難しい質問ですね。その問題には、さまざまな要因が関連していますから。うーん、まずは、現職の女性政治家に女子学生を対象とするミーティングを開いてもらい、彼女らの経験や政治家という仕事の面白さを語ってもらうのがよいのではないでしょうか。
とにかく、若い人達に政治に関心を持ってもらうことが必要です。)
本日何回目かのピンチ。冷や汗だらだらです…(T_T)
本気でなにも思いつかなかったのですが、
「政治家というハードな仕事を結婚・出産後も続けるのは現状の日本では困難だと思う。政治家に限らないが、女性の能力を活かすためには社会全体で家事や子育て、介護の負担を分散する取り組みを官民が協力して進めていくことが重要ではないか」
…とか言ってもよかったですかね。。
もう限界・・・
と思ったところでタイムアップ。
ネイティブ面接官がステキな笑顔で「Have a nice day!」と見送ってくれて、私もようやく緊張が解けたのを覚えています。
正直、面接終了直後は「できるだけのことはやったよね」とある程度満足していたのですが、帰りの電車でQ&Aセクションでの先ほどのミスに気づき、青ざめました。
こんな感じだったので、合格を知ったときはかなり驚きました。
面接官に感謝するしかありません。
2分間スピーチが注目されがちですが、一番の難関は実はQ&Aではないかと感じました。
思ってもみない角度から質問が飛んでくることがあり、しかもすぐに答えないといけません。
スピーチ以上に事前の対策が難しいパートであり、英検1級最後の鬼門といえます。
オンライン英会話などを使って「質問に答える」練習をしておくこと、答えにくい質問をされても諦めないで何かしらひねり出すことが大切だと思います。
(偉そうにアドバイスできる立場ではないのですが…w)
まとめ:スピーキングが苦手でもちゃんと準備していけば多少失敗しても大丈夫
今回は英検1級面接体験記として、できる限り忠実に面接を再現してみました。
とてもお手本になるような面接ではないのですが、だからこそ「スピーキング不安だけど滑り込み合格を狙う人」の1つの目安にはなるんじゃないかな?と思っています。
少しでも英検1級に挑戦される方の参考になればうれしいです。
私の2次面接対策についてはこちらに詳しく書きました。