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2021年大学入学共通テストの英語は難化したか?翻訳者が解いてみた感想

こんにちは、えまです。

先週末、大学入試センター試験に代わって導入された「大学入学共通テスト」が初めて実施されましたね。

昨年に引き続き、英語のリーディングを解いてみました^^

今回は、その感想をサクッとお伝えしたいと思います!

昨年のセンター試験の感想はこちら⇒センター試験2020英語の難易度は?翻訳者が解いてみた感想&解説

大学入学共通テスト2021!英語の難易度は?

感想をお伝えする前に、まずは
「今回導入された大学入学共通テストはどんなテストなのか?」
という点を確認しておきたいと思います。

文部科学省による「大学入学共通テスト実施方針」では、以下のように記載されています。

共通テストは、大学入学希望者を対象に、高等学校段階における基礎的な学習の達成の程度を判定し、大学教育を受けるために必要な能力について把握することを目的とする。このため、各教科・科目の特質に応じ、知識・技能を十分有しているかの評価も行いつつ、思考力・判断力・表現力を中心に評価を行うものとする。

長々と書かれていますが、重要なのは最後の「思考力・判断力・表現力を中心に評価を行う」というところですね。

従来のセンター試験では、主に知識・技能が問われていたのに対し、
共通テストでは、思考力や判断力、表現力が評価の中心となります。

ただ、上記の方針は記述式問題や英語の民間試験活用を含む初期段階のものです。
結局記述式も英語民間試験も見送られたので、少なくとも”表現力”の部分は当初予定より後退したものと思われます。

要するに、
「教科書の丸暗記ではダメ。
知識を身につけたうえで、それを自分のアタマで活用する能力を鍛えよう」
ということですね。

実際に解いてみてどうだったか?

昨年のセンター試験と比べてどうか?というと、間違いなく難化したと感じました。
英語に苦手意識がない受験生でも、苦戦した方は多いのではないかと思います。

【2021年1月22日追記】
大学入学共通テストの平均点の中間集計結果が発表されました!

英語リーディングは、60.35点
昨年のセンター試験の配点を100点満点で換算すると58点とのことなので、2点以上平均点が上がっています

難化したと感じましたが、点数で見ると同じか易化ということになりますね。

正直この結果には驚きました・・!
今年の受験生は、かなり優秀だと思います。

コロナで自宅学習の時間が確保しやすかったこともプラスに影響しているのかもしれないですね。

他の教科でも問題のページ数が増えたり、思考力や判断力を問う問題が増えたりしたそうですが、全体の平均点も昨年のセンター試験並みでした。

不安定な状況の中、しっかりと実力を発揮された受験生の皆さんに心から拍手を送りたいです

具体的には、以下の点に変化が見られました(一部個人的な感想を含みます)。

  • 冒頭の発音・アクセント問題、文法問題が消えた
  • 図やグラフ、表を利用して解く問題が増えた
  • 英語力以前に、論理的思考力(≒日本語力)がないと解けない問題もあり
  • 英文量が増えたので、必要な情報を素早く正確にキャッチする力が必要

第1問にいきなりLINEのようなチャットのやり取りが出てきたのには少々驚きました。

全体的に図やグラフ、表が多めに使用されており、
「なんだかTOEICっぽい・・・?」と思いました^^;

大学入試の英語がTOEIC化するのはなんだかなぁという気がしますが、
今回解いた限りでは、英文をきちんと理解できていないと解けない問題も多く、一定の質は保たれていました。

なんだかんだ言って、グラフや図というのは表面的なものであり、
英語力さえあればそういった細かな変更に惑わされる心配はありません。

個人的に一番良い変化だと思ったのは、
冒頭の発音・アクセント・文法問題がまるっと削除された点ですね。

英語が得意な受験生もここで満点を逃すパターンが多かったのですが、今回の変更により満点が取りやすくなったと思います。

重箱の隅をつつくような受験特有の文法事項を覚える必要がなく、
純粋に「英語が普通に読める」のであれば、基本的に全問正解できるでしょう。

ただ、全問正解や高得点を狙うのに障壁となるものがあるとすれば、以下の2つです。

  1. 英文量(制限時間内に解き終わること)
  2. 論理的思考力

最大の難関は「英文量の多さ」

今回の共通テスト問題、英文自体はそれほど難しくないのですが、とにかく量が多いんです!
白状してしまうと、4分くらいしか余りませんでした。

途中、「もしかして時間内に解き終わらないんじゃないか・・?」と正直めちゃくちゃ焦りました。。

最後らへんの問題が急に簡単になっていたので、ギリギリ間に合ったという感じです。
↑この構成は、センター試験時代から変わっていません。

ただ英文を読むだけではなく、表の読み取りもあるので、時間が足りなくなりがちです。

私は、翻訳者を名乗っている割に英文を読むスピードが遅いのですが、
「とはいえ、これを高校生が80分で解き切るのはだいぶキツいよなぁ・・・」
と思いました。

逆に、今回の問題を時間内に解き終わるのであれば、
TOEIC900は軽く取れるはずですよ。

それくらい、とにかく「量」に苦しんだ受験生が多いのではないかな?と予想します。

地味に問われる「論理的思考力」

今回の問題で面白いなと思ったのは、第2問Aの問3、問4です。

一部を転記してみますね。

問3 One fact from the judges’ individual comments is that [空欄].

問4 One opinion from the judges’ comments and shared evaluation is that [空欄].

この2問では、
「事実(ファクト)」と「意見(感想)」の違いが理解できていますか?
という点が問われています。

問題文の英語がちゃんと読めていても、「事実」と「意見」の違いがわかっていないと間違えてしまいます。

「英語」の試験としてはどうなのか・・?というツッコミの余地はありますが、
この「事実」と「意見」の違いって、実にタイムリーな出題だなと思ったので印象に残りました。

昨年からの新型コロナの感染拡大で、本当にさまざまな情報が錯綜しましたよね。
デマも日常茶飯事でしたが、例えばトイレットペーパーの買い占めなどに見られるように、そうした偽情報に惑わされる人も決して少なくないということが明らかになりました。

何が正しいのか?何が嘘なのか?
それは事実なのか?
ただの一個人の意見(憶測)に過ぎないのか?

誰も経験したことのない事態の中で、冷静に情報を見極め、取捨選択する力の大切さを実感した人も多いのではないでしょうか。
もちろん私もその一人です。

今年の試験で「事実」と「意見」の判別を問う問題が出たのは、
「ちゃんと情報を見極められる大人になってね」という出題者からのメッセージのように思いました(勘違いかもしれませんが..)。

あとは、第3問Bの問1では、出来事を時系列に並び替える問題が出題されていました。

これも、英文を注意深く読まないとうっかりミスしてしまいそうですね;

英語の意味をただ理解するだけでなく、それを自分の中で整理することが必要になります。

そういう意味で、この問題も英語力+論理的思考力を問うものといえそうです。

大学入学共通テストの導入で英語教育は変わるか?

英語に関しては、4技能評価のため民間試験の活用が延期され、いまだ検討中となっています。
(文科省は2025年度の導入を目指しているようですが・・)

今回の英語リーディング試験を見た限りでは、多少TOEICっぽさはあるものの、本質的にはセンター試験とそれほど変わりがないように思いました。

従来どおり、英語をたくさん読み、読解の正確性とスピードを磨くことが最高の対策になりそうです。

ただ、従来の訳読方式(英文を日本語に訳す)をやめて、音読の時間を増やしたり、1文を深く掘り下げたりするなど、もっと効率的な学習法を取り入れる先生が増えるといいなと思います。

これだけ英文の量が増えると、英語を返り読みせずに語順のまま理解し、英文構造を正しく掴むトレーニングが必須になりますから。

また、リスニングの配点がリーディングと同じ(100点満点)になったのは、とても大きな変化ですね。

これまでの公立学校の英語の授業では、明らかに音声学習が抜け落ちていたので、これを機にリスニングを重視する流れが出来ればいいなと思います。

私は、大学に入るまで英語の「音」をちゃんと聞いたことがなく、とても苦労しましたので・・・

やはり、語学の基本は文字ではなくです。

発音もちゃんと学校で教えれば、日本人の英語力は必ずどんどん伸びていくと思います。

結局、英語民間試験は導入すべき?

このままの形式(リーディングとリスニングだけ)で良いのではないかというのが私の意見です。

確かに4技能は大事だし、特に発信型(スピーキングとライティング)が苦手な人が多いから強化すべき、というのは理解できます。

ただ、本気で4技能を測るのならば、民間に頼らず文科省と大学入試センターが責任をもって統一された試験を用意すべき。
なぜなら、民間の試験はそれぞれに特徴があり、ある試験を別の試験に正確に換算することはできないからです。

それができないのであれば、受験生にとって公平で平等な制度であることを第一に考えるべきではないかと。

また、大量の英語を読み、聞くことは、話し、書く能力の向上にも直接的に役立ちます。

まずは、英語で情報をインプットできる力を身につけることに集中するのもアリではないでしょうか。

4技能評価を導入するのであれば、スピーキング・ライティングの統一的な試験と、その試験に必要とされる英語力を養えるような学校教育を整備してからにすべきです。

受験生の努力が報われ、正しく評価される制度であり続けることを願っています。

おわりに

最後は何か暑苦しく語ってしまいましたがw、
日本の英語教育の未来よりも、高校生向けの問題に4分しか余らなかった自分の英語力を心配したほうがいいですね(*_*;

今年は、英語を読む量を増やして読解スピードを上げたいと思います。

それでは、今年も英語学習がんばっていきましょう