翻訳

翻訳者に向いている人の特徴|翻訳者の適性と必要な能力とは

こんにちは、えまです。

翻訳のお仕事を始めてから約3年が経ちました。

今回は、私の経験や他の翻訳者さんの話から、

  • 翻訳者に向いている人の特徴(適性)
  • 翻訳者に必要な能力

についてお話します。

翻訳に興味がある方の参考になりましたら嬉しいです。

翻訳者に向いている人の特徴(適性)

他の職業もそうかもしれませんが、翻訳もわりと向き・不向きがある仕事だと感じます。

「翻訳に向いてるな」と思う人の特徴は、以下の10個です。

  • 一人で黙々と作業するのが好き
  • 文章を読むのが好き
  • 勉強好き
  • 好奇心旺盛
  • 誠実
  • 注意深い
  • 粘り強い
  • 謙虚
  • 素直
  • 言葉を大事にする

理由を簡単に解説します。

一人で黙々と作業するのが好き

翻訳は、基本的に一人でパソコンに向かって作業する仕事です。

在宅で働くフリーランスに限らず、会社勤めであっても1日中誰とも話さない日はザラにあります。

そのため、「人と話すのが好き」「机の前にずっと座っているのが苦痛」という方は辛く感じるかと思います。

逆に、「一人で黙々と作業するのが好き」「電話や外出はそんなに好きではない」という方にはぴったりです。

翻訳者になろうと今の会社に転職した際、面接で
「一日中、誰とも話さずパソコンの前に座り続けるような仕事だけど、大丈夫?」
と確認されましたが
「え、それ最高」
と思いましたw

そのとき初めて
「あぁ、それが退屈とか苦痛に感じる人がいるのだな」
と気づき、印象に残っています。

世の中、適材適所ですね。

文章を読むのが好き

翻訳は、文章を読み書きする仕事です。

整った文章を書くには、やはり良質の文章をたくさん読む必要があります。

また、豊富な語彙を身に付けるには、日々いろんな文章を読んで学ぶしかありません。

そのため、「小さい頃から本が大好き」という人は、翻訳者に向いているといえます。

私の周りの翻訳者さんも、読書好きの方が多いですね。

職場の上司も、「翻訳を上達させるには、日本語と英語をとにかくたくさん読め」と言っていました。

読書好きとはいかなくとも、「文章を読むのが嫌いではない」というのは翻訳者の必須条件かと思います。

(それが嫌だったら翻訳に関心を持たないかもしれませんが(^^;))

勉強好き

何か新しいことを学ぶのが好き、という人も翻訳に向いています。

というのも、翻訳者は「もう知識は十分!これ以上は勉強しなくてOK」とは(おそらく一生)ならないからです。

翻訳歴20年以上というベテランの方でさえ、日々知らないことに出会う世界。

依頼文書に馴染みのない分野の専門用語が出てくることは、日常茶飯事です。

そのたびに知らないことを調べたり、学んだりするのが楽しいと思える人は、翻訳者の適性がかなりあります。

逆に、調べることが嫌いな人だと、続かないかもしれません。

好奇心旺盛

「勉強好き」とも関連しますが、世の中のいろんな物事に興味を持てる人は、翻訳の仕事を楽しいと感じるはず。

実務翻訳では、クライアントである企業やその業界に関してかなり込み入った内容の文書を訳すことが多いです。

書店に売ってる英語の参考書にはまず出てこない単語ばかりなので、
もう調べるしか方法がありません。

それを「へぇ、こんな単語もあるのか〜」と楽しめる人、
「これはどんな意味なんだろう?」と純粋に気になってしまう人は翻訳者に向いているといえます。

誠実

翻訳者にとって最も大切なことの‍一つが「誤訳をしないこと」。
(言うのは簡単、実行するのは難しいのですが。。)

誤訳を避けるにあたって、語学力が大切なのはもちろんですが

・作業過程での違和感や疑問点を放置しない
・適切な訳語を見つけるまで調べる

といった仕事に対する誠実な姿勢がとても重要だと感じます。

プロ意識とも言えるかもしれません。

翻訳作業をしていると、
「なんか変な感じがするなぁ、、」
という違和感を覚えることがあります。

「でもまぁ、こんなもんかな」
と流してしまうことは簡単だし、ラクなのですが、
その違和感は当たっていることが多いんですよね。

「なんかおかしいかも?」
と思ったら、もう一回原文を読み直してみる、辞書を引き直してみるというひと手間が大きな差を生みます。

というのも、私が一年目の頃、archive(アーカイブ)とachieve(達成する)を見間違えてしまったことがありました。

当然ながら、なんか変だと気づいてはいましたが、
「英文にそう書いてあるんだから、仕方ないか」
とそのまま放置してしまったんです。

今も書いていて信じられないテキトーさなのですが(笑)、
「違和感を放置しない」
ことは本当に大事だと日々実感しています。

翻訳は、目の前の文書そして依頼者に対する誠実さが、訳文の出来を大きく左右すると思います(自戒)。

注意深い

翻訳の仕事を始めた当初の印象は

「細かっ!」

でした。

・フォント
・半角と全角の区別
・スペースが1つか2つか
・漢字かひらがなか
・用語の統一
・大文字か小文字か
・数字や単位の表記

など、一つの訳文を作成するにあたって「決まりごと」がたくさんあり、最初は戸惑ったことを覚えています。

正直、「誰も気づかないでしょw」と思ってしまうような細かさなのですが、
それなりに年数を重ねた翻訳者からすると、どれも当たり前のことなんですよね。

翻訳者は、誤字脱字にもかなり敏感です。

また、読み違いや思い込みに気づけるかどうかも、注意深さに関わりますね。

この翻訳者特有の注意深さは、経験とともに養われるものでもあります。

ただ、普段から細かいことによく気が付くタイプの人が翻訳に向いているのは確かです。

粘り強い

多くの人は翻訳に「大変な仕事」というイメージはあまり持っていないかもしれませんが、声を大にして言いたい。

翻訳は、大変な仕事です!w

大変じゃない仕事なんてないかもしれませんが、少なくとも世間で思われているより重労働かと。。

・原文が意味不明(日本語でも論理が崩壊してると途方に暮れます..)
・日本語の意味がわからず国語辞典で調べる
・英単語を知らなさすぎて辞書に頼りまくる
・あまりにも短い納期
・膨大な量の文書(いくら頑張っても進まない…)

など、これまでに泣きたくなったことは数知れず。

結構、心が折れそうになることがあります。

それでも、踏ん張ってパソコンの前に座り、ひたすらに調べ、考え、悩みながらも1文1文を紡いでいく。

時間のプレッシャーにも負けない。

翻訳者には、そうした精神的な強さも求められると思います。

謙虚

訳文を評価するのは、基本的には他者(上司や顧客)です。

自分ではどんなによく出来たと思っても、他の人が読んで評価してくれなければ、その訳文の質は低いと認めざるを得ません。

なので、常に客観的な視点を持つことが大事だなと感じています。

また、先ほども書きましたが、翻訳はいつも知らないこと、わからないことに出会う職業。

自分のスキルに慢心してあぐらをかいていると、すぐに足元をすくわれるのが翻訳だと思います。

他の人の意見に耳を傾け、新しい知識を貪欲に吸収する姿勢が必要です。

素直

特に駆け出しの頃は、訳文に対して周囲から指摘や助言を受けることも多いと思います。
時には厳しいことも言われるかもしれません。

(当たり前かもしれませんが)そういう指摘を受け止めて、次回以降に同じミスを繰り返さないよう工夫できる人が翻訳に向いています。

訳文の拙さや間違いに、自分で気づくのはわりと難しいこと。

周囲(特に先輩)の意見は、翻訳スキルを磨くために不可欠のものだと思います。

もちろん、疑問に思ったことは遠慮せずに質問すべきです。

ただ、基本的に経験値が上の人は自分よりも感覚が正しいことが多いので、まずは受け止めることが大切だと感じています。

言葉を大事にする

翻訳は、言葉を扱う仕事。

なので、普段の生活でも言葉を大切にする人に適性があります。

やたらと乱暴な言葉遣いをしたり、
相手の気持ちを考えずに傷つけるような発言をしたり、
意味をよく知らない言葉を適当に使ったりする人は、翻訳には向いていないかもしれません。

重要な文書であるほど、些細なニュアンスの違いが大きな差を生むことも多いので、注意深く言葉を扱う必要があります。
(自戒を込めています..)

普段から言葉を慎重に選ぶ習慣をつけることが、翻訳にも必ず活きてくると思います。

翻訳者に必要な能力

次に、翻訳者に必要とされる能力・スキルについて紹介します。

  • 読解力
  • 表現力
  • 調査力
  • 専門領域の知識

これらは、翻訳者になる前から高いレベルにないとダメ、というわけではありません。
(もちろん、最初から能力が高ければそれが一番よいのですが…)

私自身、上記の能力やスキルが備わっているか?と聞かれると自信をもってYesとは言えません。

これらは、実務経験や日々の努力の積み重ねで少しずつ向上させていくものでもあるので、

「自分には無理かも、、」とは思わず、

「翻訳者ってこんな仕事なんだな」

という参考程度に捉えてもらえたら幸いです。

読解力と表現力

翻訳には「英語力」が必要、とよく言われますが、翻訳に必要な英語力とはなんでしょうか?

それは、リーディング力ライティング力です。
(つまり「読み書き」の力)

翻訳には、スピーキング力は特に必要ありません。
英語が話せなくても、翻訳者にはなれます。

逆に、英語が話せるからといって、翻訳ができるとは限りません。

英日翻訳であれば

英語の意味をしっかりと理解し、
正確かつわかりやすい日本語で表現する力

ですね。

これを身に付けるにはどうするか?というと、

・英語と日本語をたくさん読む
・翻訳経験を積む

この2つに尽きるのではないでしょうか。

初めから高い読解力・表現力のある翻訳者なんて稀なので、実務経験を積みながらスキルを上げていくのがよいと思います。

調査力

「翻訳は、7〜8割が調べ物」と言われるくらい、想像以上にリサーチが多いです。

インターネットや辞書、その他参考資料をうまく活用しつつ、適切な訳語をひねり出す作業の繰り返し..という感じ。

もちろん、それほど専門性が高くない一般的な文書であればサクサク進むこともあります。

が、その業界特有の用語や言い回し、略語がオンパレードの文書だと、調べ物にかなり時間がかかります。

これも「習うより慣れろ」なので、仕事を通じて身につけていけばいいと思います。

専門領域の知識

実務翻訳者になる場合、まずは自分の専門領域を選ぶことになります。

主な分野

医学・薬学
IT・コンピュータ
法務
金融
特許
広告・マーケティング
工業・機械
ゲーム

証券会社に勤めていたから金融分野、製薬会社に勤めていたから医薬分野というのがわかりやすい例ですね。
あとは、大学時代の専攻で選ぶことも多いと思います。

翻訳の依頼があるようなビジネス文書は、その業界特有の専門性の高いものも多いです。

そうした場合、その分野の背景知識がないと「意味は合ってるけど、こういう言い方はしない」というぎこちない訳文になりがち。
また、専門知識があると、ややこしい英文の意味が取りやすくなります。

「背景知識ゼロのTOEIC満点の人より、背景知識のあるTOEIC800点台の人の訳文のほうが優れている」
という話も聞いたことがあります。

※だからといって英語力がそれほど重要ではないということではありません。
あくまで両方を磨くのが大事ですね。

私は専門領域と呼べるものがなかったので、その分野特有の英語が学べる参考書や、会社にある過去の文書を読んで最低限の知識を学びました。(今も勉強中です。)

まとめ:結局は熱意の問題

長々と書いてしまいましたが、一番大事なことは「熱意」だと感じます。

現時点の英語力がそれほど高くなくても、
専門知識が全然なくても、
熱意さえあれば努力によって身に付けられるので。

逆に、いくら英語力が高くても、
「翻訳くらいならできるだろう」という姿勢だと、熱意のある人にはいずれ追い越される可能性が高いです。

英語が好き/日本語が好き/言葉が好き/翻訳のプロになりたい

こうした思いが強い人は、翻訳者に向いているといえます✿

最後までお読みいただき、ありがとうございました。