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翻訳者に向いている人の特徴|翻訳者の適性と必要な能力とは

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こんにちは!えまです。

翻訳のお仕事を始めてから3年が経ちました。

今回はわたしの経験や他の翻訳者さんの話から、

  • 翻訳者に向いている人の特徴(適性)
  • 翻訳者に必要な能力

についてお話します。

翻訳に興味がある方の参考になりましたら幸いです。

翻訳者に向いている人の特徴とは?

他の職業もそうかもしれませんが、翻訳もわりと向き・不向きがある仕事だと感じます。

わたしが思う翻訳者の適性がある人の特徴は、以下の10個です。

  1. 一人で黙々と作業するのが好き
  2. 文章を読むのが好き
  3. 勉強好き
  4. 好奇心旺盛
  5. 誠実
  6. 注意深い
  7. 粘り強い
  8. 謙虚
  9. 素直
  10. 言葉を大事にする

一つずつ見ていきましょう。

①:一人で黙々と作業するのが好き

翻訳者は基本的に一人でパソコンに向かって作業します。

在宅フリーランスに限らず、会社勤めであっても1日中誰とも話さない日は珍しくありません。

そのため、「人と話すのが好き」「机の前にずっと座っているのが苦痛」という方は辛く感じるかと思います。

逆に、「一人で黙々と作業するのが好き」「電話や外出はそんなに好きではない」という方にはぴったりの仕事です。

翻訳者になろうと今の会社に転職した際、面接で
「一日中誰とも話さずパソコンの前に座り続けるような仕事だけど、大丈夫?」と確認されたのが印象に残っています。

そのとき初めて
「あぁ、世の中にはそれが退屈とか苦痛に感じる人がいるのだな」
と気づいたんですよね。

当時、まさに「一日中誰とも話さない仕事がしたい」と思っていたので、「もちろん大丈夫です!」と前のめりで答えましたw

自分の適性に合った職業を選ぶのは大事ですね。

②:文章を読むのが好き

翻訳は文章を読み書きする仕事です。

整った文章を書くには、やはり良質の文章をたくさん読む必要があります(自戒)。

また、豊富な語彙を身に付けるには、日々いろんな文章を読んで学ぶしかありません。

そのため「本が大好き」という人は翻訳者に向いているといえます。

私の周りの翻訳者さんも、読書好きの方が多いですね。

職場の上司も「翻訳を上達させるには、日本語と英語をとにかくたくさん読め」と言っていました。

読書好きではなくとも「文章を読むのが嫌いではない」というのは翻訳者の必須条件かと思います。

(本が嫌いだったらそもそも翻訳に関心を持たないかもしれませんが(^^;))

③:勉強好き

何か新しいことを学ぶのが好き、という人も翻訳に向いています。

というのも、翻訳者は「もう知識は十分!これ以上は勉強しなくてOK」という状態には一生ならないからです。

翻訳歴20年以上というベテランの方でさえ、日々知らないことに出会う世界。

定型的な文書もありますが、今後はどんどんAI翻訳に代替されていくでしょう。

近い将来、人間の翻訳者には(機械には訳せない)専門性の高い翻訳ばかりが求められるようになると思います。

知らない言葉が出てくるたびに調べたり、学んだりするのが楽しいと思える人は、翻訳者の適性がかなりあります。

逆に、普段から調べることが嫌いな人だと続かないかもしれません。

④:好奇心旺盛

「勉強好き」とも関連しますが、世の中のいろんな物事に興味を持てる人は翻訳が楽しいと感じるはず。

実務翻訳では、クライアントである企業やその業界に関してかなり込み入った内容の文書を訳すことが多いです。

書店に売ってる英語の参考書にはまず出てこない単語ばかりなので、
もう調べるしか方法がありません。

そんなときに「へぇ、こんな単語もあるのか〜」と楽しめる人、
「これはどんな意味なんだろう?」と純粋に気になってしまう人は翻訳者に向いているといえます。

⑤:誠実

翻訳者にとって最も大切なのが(できるだけ)誤訳をしないこと。

誤訳を避けるにあたって、語学力が大切なのはもちろんですが

  • 作業過程での違和感や疑問点を放置しない
  • 適切な訳語を見つけるまで調べる

といった仕事に対する誠実な姿勢がとても重要だと感じます。

プロ意識とも言えるかもしれません。

翻訳作業をしていると
「なんか変な感じがするなぁ、、」
という違和感を覚えることがあります。

「でもまぁ、こんなもんかな」
と流してしまうことは簡単だし、ラクなのですが、
その違和感は当たっていることが多いんですよね。

「なんかおかしいかも?」
と思ったら、もう一回原文を読み直してみる、辞書を引き直してみるというひと手間が大きな差を生みます。

~失敗談~

私が1年目の頃、archive(アーカイブ)とachieve(達成する)を見間違えてそのまま訳してしまいました。

当然、なにかが変だと気づいてはいましたが、
「英文にそう書いてあるんだから、仕方ないか」
と放置してしまったんです。

適当すぎて恥ずかしいのですが、そのとき「違和感を放置しない」ことは本当に大事だと実感しました。

翻訳は、目の前の文書そして依頼者に対する誠実さが出来を大きく左右すると思います。

⑥:注意深い

翻訳の仕事を始めた当初の印象は

「細かっ!」

でした。

・フォント
・半角と全角の区別
・スペースが1つか2つか
・漢字かひらがなか
・用語の統一
・大文字か小文字か
・数字や単位の表記

など、一つの訳文を作成するにあたって「決まりごと」がたくさんあり、最初は戸惑いました。

正直「そんなとこまで誰も気にしてないでしょw」と思ってしまうような細かさなのですが、それなりに年数を重ねた翻訳者からすると、どれも当たり前のことなんですよね。

翻訳者は誤字脱字にもかなり敏感です。

えま
えま
いつの間にか本や広告の誤植がやけに気になる人になっていました。。一種の職業病です。

また、読み違いや思い込みに気づけるかどうかも注意深さに関わりますね。

この翻訳者特有の注意深さは経験とともに養われるものでもありますが、細かいことによく気が付くタイプの人が翻訳に向いているのは確かです。

⑦:粘り強い

多くの人は翻訳に「大変な仕事」というイメージはあまり持っていないかもしれませんが、声を大にして言いたい。

翻訳は重労働です。

大変じゃない仕事なんてないかもしれませんが、少なくとも世間のイメージよりは労力を要します。。

・原文が意味不明(日本語でも論理が崩壊してると途方に暮れます…)
・日本語の意味がわからず国語辞典で調べる
・英単語を知らなさすぎて辞書に頼りまくる
・あまりにも短い納期
・納期直前の大幅なアップデート
・膨大な量の文書(いくら頑張っても進まない…)

など、これまでに泣きたくなったことは数知れず。

心が折れそうになることも結構あります。

それでも、踏ん張ってパソコンの前に座り、ひたすらに調べ、考え、悩みながらも1文1文を紡いでいく。

時間のプレッシャーにも負けない。

翻訳者にはそうした精神的な強さも求められると思います。

⑧:謙虚

訳文を評価するのは顧客です。

自分ではどんなによく出来たと思っても、他の人が読んで評価してくれなければその翻訳の質は低いと認めざるを得ません。

評価する人によっては、指摘が必ずしも的を射ているとは限りません。
ただ、なぜその指摘をされたのかを考えることで相手のニーズや意図がわかる場合もあります。

なので、常に客観的な視点を持つことが大事だなと感じています。

また、先ほども書きましたが、翻訳はいつも知らないことに出会う職業。

自分の知識やスキルに慢心してあぐらをかいていると、すぐに足元をすくわれます。

他の人の意見に耳を傾け、新しい知識を貪欲に吸収する姿勢が求められるのが翻訳だと思います。

⑨:素直

特に駆け出しの頃は、訳文に対して先輩から指摘や助言を受けることも多いと思います。
時には厳しいことも言われるかもしれません。

(当たり前かもしれませんが)そういう指摘を受け止めて、次回以降に同じミスを繰り返さないよう工夫できる人が翻訳に向いています。

訳文の拙さや間違いに自分で気づくのは難しいこと。

周囲の意見は、翻訳スキルを磨くために不可欠のものです。

疑問に思ったことは遠慮せずに質問すべきですが、基本的に経験値が上の人は自分よりも感覚が正しいことが多いので、まずは指摘を受け止めることが大切だと感じています。

⑩:言葉を大事にする

翻訳は言葉を扱う仕事。

なので、日常生活でも言葉を大切にする人に適性があります。

乱暴な言葉遣いをしたり、
相手の気持ちを考えずに傷つけるような発言をしたり、
意味をよくわかっていない言葉を適当に使ったりする人は、翻訳には向いていないかもしれません。

重要な文書であるほど、些細なニュアンスの違いが大きな差を生むことも多いので、注意深く言葉を扱う必要があります。(自戒)

普段から言葉を慎重に選ぶ習慣をつけることが、翻訳にも必ず活きてくると思います。

翻訳者に必要な能力

次に、翻訳者に必要とされる能力・スキルについて紹介します。

  • 読解力
  • 表現力
  • 調査力
  • 専門領域の知識

これらは、翻訳者になる前から高いレベルにないとダメというわけではありません。
実務経験や日々の努力の積み重ねで少しずつ向上させていくものでもあります。

私自身、上記の能力やスキルが備わっているか?と聞かれると自信をもってYesとは言えません。

これを読んで「自分には無理かも…」とは思わず、
「翻訳者ってこんな仕事なんだな」という参考程度に捉えてもらえたら幸いです。

読解力と表現力

翻訳には「英語力」が必要とよく言われますが、翻訳に必要な英語力とは具体的にどんなものでしょうか?

それはリーディング力ライティング力です。

翻訳には、スピーキング力は直接的には必要ありません。
英語が話せなくても、翻訳者になることはできます。

逆に、英語が話せるからといって翻訳ができるとは限りません。

英日翻訳であれば

英語の意味をしっかりと理解し、
正確かつわかりやすい日本語で表現する力

ですね。

これを身に付けるにはどうするか?というと、

  • 英語と日本語をたくさん読む
  • 翻訳経験を積む

この2つに尽きるのではないでしょうか。

初めから高い読解力・表現力のある翻訳者はまれなので、実務経験を積みながらスキルを上げていくのがよいと思います。

調査力

「翻訳は7〜8割が調べ物」と言われるくらい、想像以上にリサーチが多いです。

インターネットや辞書、書籍等をうまく活用しつつ、適切な訳語をひねり出す作業の繰り返し。

もちろん、それほど専門性が高くない一般的な文書であればサクサク進むこともあります。

が、その業界特有の用語や言い回し、略語がオンパレードの文書だと調べ物にかなり時間がかかります。

これも「習うより慣れろ」なので、仕事を通じて身につけていけばいいと思います。

専門領域の知識

実務翻訳者になる場合、まずは自分の専門領域を選ぶことになります。

実務翻訳の主な分野
  • 医学・薬学
  • IT・コンピュータ
  • 法務
  • 金融
  • 特許
  • 広告・マーケティング
  • 工業・機械
  • ゲーム

証券会社に勤めていたから金融分野、製薬会社に勤めていたから医薬分野というのがわかりやすい例ですね。
あとは、大学時代の専攻で選ぶことも多いと思います。

翻訳を依頼されるビジネス文書は、その業界特有の専門性の高いものも多いです。

そうした場合、その分野の背景知識がないと「意味は合ってるけど、こういう言い方はしない」というぎこちない訳文になりがち。
また、専門知識があると、ややこしい英文の意味が取りやすくなります。

「背景知識ゼロのTOEIC満点の人より、背景知識のあるTOEIC800点台の人の訳文のほうが優れている」という話も聞いたことがあります。

※だからといって英語力がそれほど重要ではないということではありません。
あくまで両方を磨くのが大事ですね。

私は専門領域と呼べるものがなかったので、その分野特有の英語が学べる参考書や、会社にある過去の文書を読んで最低限の知識を学びました。

まとめ:結局は熱意の問題

長々と書いてしまいましたが、一番大事なことは「熱意」だと感じます。

現時点の英語力がそれほど高くなくても、
専門知識が全然なくても、
熱意さえあれば努力によって身に付けられるので。

  • 英語が好き
  • 言葉が好き
  • 翻訳のプロになりたい

こうした思いが強い人は、翻訳者に向いているといえます

独学で翻訳者をめざす方は以下の記事も参考にしてみてください。