こんにちは、えまです。
翻訳コンテストは、
自分の翻訳の実力を客観的に測れることはもちろん、
英語力、日本語力のレベルを知れる数少ないチャンスです。
中には入賞すればそのまま翻訳家デビューとなるコンテストもあり、
とても夢がありますね。
また、ほとんどのコンテストには図書カードなどの賞品が用意されているので、自ずと気合も入ります。
もちろん、訳文を作成する段階で得られる
- 英語力を一気に伸ばせる
- 日本語力を磨ける
- 翻訳スキルが格段に上がる
といった効果が一番の収穫といえるでしょう。
わたしも、最近こうしたコンテストに応募するようになりました。
職場の外での評価を知ることは良い刺激になりますし、
なによりスキル向上にかなり役立っているなと感じます。
そこで今回は、英語の翻訳コンテスト情報をまとめてみたいと思います。
また、記事の後半では、
入賞の確率を上げるために押さえておくべき3つのポイントも紹介します。
紹介するポイントは誰かに教わったものではなく、
コンテストの入賞作品と解説を分析して編み出したものです。
「それって信ぴょう性あるの??」
と思われたかもしれませんが笑、
私はこれらのポイントを意識したとたんにJapan News(以下で紹介します!)で連続入選しました。
それまで応募した2回とも落選していたのに、です。
その後、アメリアで第1位を頂きました。
なので、私と同じ翻訳初心者の方に少しは参考になればと思い、翻訳にあたって気を付けた点をまとめてみました♪
Contents
【無料あり】英語翻訳コンテスト情報
それでは、まずはどんな翻訳コンテストがあるのかを見ていきましょう♪
賞品も要チェックです!
※以下は2021年4月23日時点の情報です。
応募の際は、必ず各サイトから最新の情報をご確認ください。
アメリア翻訳コンテスト
翻訳者ネットワーク「アメリア」が開催する翻訳コンテストです。
- 開催頻度:2~4か月に1度
- 参加費:無料
- 賞品:Amazonギフト券(5000円/3000円/2000円)
アメリアの無料お試し会員になることで参加できます。
課題は和訳が多いです。
課題の分量が少ないので、気軽に応募できるのがお勧めポイント。
(しかもその割に賞品がGood!)
また、このコンテストは「レーティング」というシステムを採用しています。
会員同士がお互いの訳文を評価して、その平均評価が高かった上位3名が入賞となります。
他の参加者がどんな風に訳したのかを見るのは楽しいですし、とても勉強になりますよ。
”レーティング賞”なんてものもあります!
コンテスト開催時は公式サイトに大きく告知されていますので、見逃さないよう定期的にチェックしましょう。
>>アメリア公式サイト
※一度お試し会員に登録すると、コンテスト開催のお知らせが届くようになります。
お試し会員でも翻訳や英語学習に役立つコラムやインタビューが沢山読めるので、ぜひ一度覗いてみてくださいね。
The Japan News翻訳コンテスト
読売新聞の英語版(英字新聞)The Japan Newsの紙面で開催される翻訳コンテスト。
「Testing Translation」というコーナーです。
- 開催頻度:隔週金曜日
- 参加費:無料(紙面の購入は必要)
- 賞品:全国共通図書カード(2500円/1000円/500円)
読売新聞の記事の一部を英語にするという課題が出されます。
分量はそれほど多くないのですが、
いざ英訳しようとするとかなり難しい!
この翻訳コンテストのお勧めポイントは、毎回The Japan Newsの記者さんが切れ味鋭い講評をしてくれるところ。
これを読むだけでも相当英語力上がると思います。
(もちろん、実際に応募してから読むと効果倍増です!)
紙面は1部150円なのですが、
この翻訳コンテストのコーナーだけでも150円を優に越える価値があることは確かです。
これに加えて沢山の英文が載っている(英字新聞なので当たり前ですが…)ので、
多読教材としても使えますね。
図書カードがもらえるだけでなく、最優秀or優秀に選ばれると名前と訳文、佳作に選ばれると名前が紙面に載ります!
(読売新聞から1部郵送してもらえました^^)
これは嬉しいですよね♪
どこで買えるのか?という質問に対しては、公式サイトに以下の回答がありました。
駅売店、コンビニや読売センター(YC)でお買い求めいただけます。
ただし、一部店舗で取り扱っていない場合もありますのでご了承ください。
取扱店舗についてはフリーダイヤル0120-431-159にてお調べいたしますのでお尋ねください。
大きな駅のキオスクには売っていることが多いと思いますが、
上記のフリーダイヤルに電話して確認すれば確実ですね。
なお、Japan Timesと間違えないように要注意です!!
(私は間違えましたw)
斉木学園時事英語翻訳コンテスト
斉木学園(予備校)が主催するWeb上の翻訳コンテスト。
和訳・英訳の両方とも開催されています。
- 開催頻度:月1回
- 参加費:1,000円(添削付きは2,000円)
- 賞品:アマゾンギフト券1000円分
参加には無料会員登録と応募チケットの購入が必要になります。
このコンテストの特徴は、応募者全員にプロ翻訳家による採点評価(5段階)が行われること。
また、オプションで添削を受けることもできます。
初心者向けの「英日英語検定」「日英英語検定」もあります。
「検定」とありますが、内容はどちらも翻訳です。
「翻訳コンテスト」の課題文が難しいと感じたら、まずはこちらに挑戦してもいいかもしれないですね。
ただ、初心者向けの方は一律2,000円の参加費がかかります(添削付きしか選べないため)。
参加費がかかりますが、応募すれば必ず翻訳家からフィードバックが受けられるのは有難いですね。
>>斉木学園時事英語翻訳コンテスト公式サイト
『通訳・翻訳ジャーナル』誌上翻訳コンテスト
イカロス出版『通訳・翻訳ジャーナル』(2月・5月・8月・11月の21日発売)で毎号開催している翻訳コンテスト。
- 開催頻度:年4回
- 参加費:無料
- 賞品:賞金3万円/1万円
課題文が長めなうえ、難易度も高いという印象です。
ノンフィックション・フィクション問わず多彩なテーマが扱われていて面白いのですが、入賞するのは相当なレベルの高さが求められるでしょう。
わたしは翻訳者になりたての頃にこの雑誌を買って、
出来心で(?)応募を試みたのですが、納得のいく訳文が作れず挫折しました…。
最優秀賞に選ばれれば賞金3万円。
「われこそは!」という方はぜひ挑戦してみてください。
※応募のために本雑誌を購入される際は、必ず最新号を確認されてくださいね。
いたばし国際絵本翻訳大賞
板橋区が主催する絵本の翻訳コンテスト。
英語部門とイタリア語部門があり、いずれも課題絵本を日本語に訳します。
- 開催頻度:年1回
- 参加費:3,700円
- 賞品:賞金15万円/10万円/2万円
例年8月頃~10月末が申し込み期間なのですが、
定員が1000人なので、早めに申し込んだほうがよいです。
実際、定員に達したとのことで10月上旬には募集が終了していた年もありました。
メールかハガキで申し込み→参加費の振込→課題絵本が届く→訳文を郵送、という流れとなります。
絵本翻訳、楽しそうですよね♪
ハードルは高いですが、勉強になること間違いなし。
ここ数年、最優秀翻訳大賞に選ばれた作品は出版されています。
コンテストをきっかけに翻訳家デビュー!なんて凄いですよね。
興味がある方は8月頃にぜひチェックしてみてください!
>> 板橋区立図書館のホームページはこちら
JAT新人翻訳者コンテスト
日本翻訳者協会(JAT)が開催する翻訳コンテスト。
応募資格は「実務翻訳の経験が3年未満」なので注意が必要です。
英日翻訳部門、日英翻訳部門の2部門があります。
- 開催頻度:年1回
- 参加費:無料
- 賞品:英日・日英翻訳国際会議(IJET-31)の参加費、往復交通費、3日分の現地宿泊費、およびJAT年会費1年分無料)など
毎年10月頭に課題文とコンテスト実施要項が発表され、
10月末までに訳文を提出、という流れで行われているようです。
>>日本翻訳者協会(JAT)公式サイト
インターカレッジ札幌 翻訳コンクール
文芸翻訳家を養成するスクールが毎年開催する翻訳コンクール。
課題は英文小説の一部です。
かなりハードル高めですが、最優秀者には翻訳家デビューの道が開かれています。
- 開催頻度:年1回
- 参加費:4,800円(+振込手数料)
- 賞品:「プロ翻訳家認定テスト」受験資格、翻訳講座短期受講券(通信有り)または図書カード
本気で文芸翻訳を志される方は、挑戦してみてはいかがでしょうか。
>> インターカレッジ札幌公式サイトはこちら
JLPP翻訳コンクール
文化庁主催の現代日本文学の翻訳コンテスト。
小説部門から1点、評論・エッセイ部門から1点の合計2点の作品を応募する必要があります。
こちらもハードルは非常に高いですが、過去の受賞者は翻訳家として活躍しているそうです。
日本文学を世界に発信したいという方は、ぜひチェックしてみてください。
- 開催頻度:年1回
- 参加費:無料
- 賞品:賞金(最優秀賞100万円、優秀賞25万円)、賞状および賞牌
このほか、受賞者はJLPP(現代日本文学の翻訳・普及事業)によるワークショップなどの翻訳者育成事業等プログラムに参加することもできます。
>> JLPP公式サイトはこちら
参考:アルク翻訳大賞
2019年まで毎年1回、アルクの『翻訳事典』という雑誌上で翻訳コンテストが開催されていたのですが、
残念ながら2020年以降の開催予定はないそうです。
『翻訳事典』は”翻訳者になりたい人の必読誌”という言葉のとおり、
出版翻訳、実務翻訳、映像翻訳のいずれも網羅しており、
かつ質の高い情報が詰まっていることで有名でした。
いつかまた復活してくれることを願いましょう。。
2019-2020年版はこちらです。
翻訳コンテストで入賞を目指すための3つのポイント
それでは最後に、わたしが翻訳コンテストに応募する際に心がけているポイントを大公開します!
ポイント①:とにかく「誤訳」をしないことが最重要
通常のコンテストにおける審査では、
間違いやすいチェックポイントをいくつか用意し、
そのポイントをクリアしている応募作品を選ぶ作業がまず行われるはずです。
膨大な量の応募作品をわずかな人数の審査員が全文読むのは無理がありますから、
まずはいわゆる「ふるい落とし」をするわけですね。
つまり、この1次審査で落とされてしまったら、
他の箇所がいくら素晴らしい出来であったとしても、審査員の目に触れることはない
ということです…。たぶん。
なので、まずはこの1次審査を通過することが入賞の大前提となります。
ではどうすればいいか?というと答えはひとつ。
チェックポイントになりそうな訳しづらい言葉は、特に慎重に訳す
課題文には、「難しいところ」と「普通のところ」が必ずあります。
1次審査でチェックされるのは、この「難しいところ」だと考えましょう。
なので、訳していて「ん?」と手が止まるようなところは細心の注意を払うことが大事になります。
慣れないうちは、上手い訳を無理にひねり出そうとせず
「誤訳のリスクをできる限り減らす」のがコツ。
難しいところは、あまり冒険をせず無難な表現で逃げることも考えてみてください。
ポイント②:原文に忠実に訳すのが大原則
初心者の頃は、
「上手い訳を出そうとして、原文から離れてしまう」
ということがありがちです。
コンテストとなると、なんかカッコつけたくなっちゃうんですよね(私だけですかね…)。
文の構造を大胆に変えてみたり、
意訳っぽいことをしてみたり、
普段使ったことのない表現を辞書から引っ張り出してきたり。。
ベテランの方であればこういった工夫のさじ加減もわかるのでしょうが、数年程度の経験であまり高度な技を使いこなせる人はそう多くないかと思います。
なので最初のうちはとくに、
「背伸びは不要!」
と自分に言い聞かせてみてください。
最も優先すべきなのは『正確さ』
原文の意味を、いかに正確に読み手に伝えるか
に意識を集中させると高く評価されやすいです。
語順は基本的にそのままでOKですし、しゃれた表現も不要。
難しい単語よりも、よく知っている基本単語を上手く使いこなすことを目指しましょう。
自戒を込めてですが、原文に忠実であろうとする姿勢を忘れないことが大事です。
ポイント③:できるだけ簡潔な短い表現を使う
翻訳するうえでは、正確さとともにわかりやすさも重要です。
いくら美しい日本語/英語を書こうが、原文の意味が伝わらなければ
翻訳としてはNGとなってしまいますからね。
これはとくに英訳をするときに気をつけることなのですが、
できる限り簡潔な表現を使うとわかりやすい訳文につながります。
いろんな方法が考えられますが、例えば以下のような点です。
・基本的に「SVO」の形で書く
→文脈に合った他動詞を使うと文が締まります
(have, cause, allow, ensure, inspire, warrant, encourage他たくさん)
・否定形(not)はなるべく使わない
→notを使うと基本的に弱い文になります
never, no, unless, withoutなどを使えないか考えてみましょう
あとは、場合に応じてthere is/are の代わりにexistを使うなど、
なるべくbe動詞を避ける工夫もしています。
簡潔でわかりやすい英語の書き方については、こちらの本でわかりやすく解説されていました。
英会話(スピーキング)を鍛える本ですが、
紹介されているテクニックは、ライティングにもそのまま活かせます。
注意が必要なのは、簡潔に訳すと誤訳になりそうな場合です。
そういう場合は、説明的な訳し方で慎重に処理することで減点を防ぎましょう。
まとめ
今回は英語の翻訳コンテストをご紹介しました。
興味がわいたものがあれば、ぜひ挑戦してみてください。
また、わたしがコンテストに応募する際に心がけているポイントもお伝えしました。
翻訳者としてまだ半人前なのに偉そうに語ってしまいましたが、何か参考になれば嬉しいです。
翻訳は一筋縄ではいかないですが、
コンテストをうまく活用しつつ一緒に頑張っていきましょう!
翻訳コンテストも含め、独学で翻訳を学ぶ方法についてはこちらにまとめています。

未経験から転職して翻訳者になった体験談はこちらです。
