こんにちは、えまです。
今回は、翻訳のお仕事に興味がある方向けに
- 翻訳者になる方法、フリーランスと社内翻訳の違い
- 翻訳者に必要な英語力
- 翻訳に関する資格
こんな内容のお話をしたいと思います。
Contents
翻訳者になるにはどうすればいいの?
翻訳の仕事には、大きく分けて3つの分野があります。
- 実務翻訳(「産業翻訳」とも呼ばれます)
- 映像翻訳
- 出版翻訳
ざっくりまとめると、
実務翻訳:企業や官公庁のビジネス文書、技術文書等の翻訳
映像翻訳:映画の字幕や吹替の翻訳
出版翻訳:書籍や雑誌の翻訳
となります。
翻訳者として働いている人の大半が、実務翻訳者です。
(映像翻訳、出版翻訳はかなり狭き門だと思います。)
私自身、実務翻訳しか経験がありませんので、今回は「実務翻訳」に絞ってお話させていただこうと思います。
実務翻訳の分野
また、実務翻訳と一口に言っても、たくさんの分野があります。
医学・薬学
IT・コンピュータ
法務
金融
特許
広告・マーケティング
工業・機械
ゲーム
自分の得意な分野、または興味のある分野を選びましょう。
今後伸びそうな分野としては「広告・マーケティング」「WEB」等、
専門性が高く手堅いニーズの分野としては「医学・薬学」「法律・契約」「金融」「特許」「IT・コンピュータ」が挙げられています。
(イカロス出版「通訳者・翻訳者になる本 2019」124頁)
プロ翻訳者になる方法
翻訳者には、①フリーランス翻訳者と、②会社員として働く社内翻訳者がいます。
それぞれルートが異なりますので、翻訳者を目指すにあたっては、まずどちらかを選ぶ必要があります。
フリーランスと社内翻訳者の違い
フリーランスは、会社には属さずに自宅等で働く人(個人事業主)です。
勤務時間も場所も自由で、収入も自分がどれだけ働いたかで決まる実力主義の世界。
また、個人事業主でもあるので、経理や請求書の発行といった事務作業も自分で行います。
社内翻訳者は、翻訳会社や企業に雇用されて働く会社員です。
フリーランスに比べて時間や場所の自由はありませんが、収入が安定すること、仕事を通じて翻訳スキルや専門知識を磨けるというメリットがあります。
フリーランスか社内翻訳者か、どちらを選ぶかは、本人次第です。
ただ、私の考えを少しお伝えさせていただくと、
「翻訳経験がゼロの場合、社内翻訳者からスタートした方がよい」
です。
フリーランスは、実力が認められなければ仕事がもらえません。
ライバルには、翻訳歴数十年の大ベテランもたくさんいます。
未経験者がいきなりそこに分け入るのは、かなり厳しいかと思います。
(絶対に無理というわけではありません)
また、案件には「実務経験○年以上」という条件が付いていることが少なくありません。
将来的にフリーランスになるとしても、
まずは社内翻訳者として経験を積むのが近道だというのが私の考えです。
もし未経験からフリーランスになるのであれば、翻訳スクールの講座を受講して基本を身に付けるのも一つの手だと思います。
フリーランス翻訳者へのルート
フリーランス翻訳者になる一般的なルートは、以下のとおりです。
1. 翻訳会社のトライアルを受ける
2. トライアルに合格し、その翻訳会社に登録する
3. 翻訳会社から仕事を受注する
翻訳会社とは、翻訳を発注する企業や官公庁(「ソースクライアント」と呼ばれます)と翻訳者の仲介をするエージェントです。
ソースクライアントから翻訳依頼を受けた翻訳会社が、登録のある翻訳者に仕事を割り振ります。
そのため、フリーランス翻訳者になるには、まず「翻訳会社に登録する」ことが必要です。
良さそうな翻訳会社を探して、HPの翻訳者募集ページから申込みましょう。
多くの場合、『書類選考→トライアル(翻訳の実技試験)→合格者を登録』という流れになります。
翻訳会社を探す方法ですが、「翻訳者 募集」「翻訳者 求人 在宅」などで検索すると色んな会社が出てくると思います。
以下のサイトにも翻訳会社の求人が掲載されているので、チェックしてみてください。
一般社団法人 日本翻訳連盟
通訳・翻訳キャリアガイド(英字新聞TheJapanTimesが運営)
通訳・翻訳WEB
トライアルを受ける翻訳会社の数は、大体4〜10社くらいは受ける人が多いようです。
ただ、1社しか登録していなくてもコンスタントに受注している翻訳者さんもいます。
たまに変な(怪しい?)会社もあるようなので、翻訳会社のHPを確認するなどして信頼できそうなところを選びましょう。
社内翻訳者へのルート
社内翻訳者になるルートは、通常の就職/転職活動と同じです。
『翻訳者を募集している会社に応募→書類選考→実技試験・面接→採用』
まずは、応募する会社を探すことがスタートになります。
「社内翻訳者 募集」「社内翻訳者 求人」などで検索すればOKです。
未経験の場合は、「未経験可」も付け加えておきましょう。
私もこんな感じで探し始めました。
「転職して後悔は絶対にしたくない」と思っていたので、通勤圏内の求人はすべてに目を通したんじゃないか?というくらい慎重に吟味しました。
求人サイトは、大手2社くらいに登録することをおすすめします。
(私は、リクルートとDUDAに登録しました。)
会社選びは本当に大事なので、雇用条件や仕事の内容は丁寧に読みましょう。
いったん応募したい会社が決まれば、履歴書と職務経歴書を作成して送るだけです。
翻訳未経験だと、
「もうちょっと英語力を伸ばしてから..」
「本をたくさん読んで勉強してから..」
と応募をためらってしまう人もいるかもしれません。
気持ちはとてもよくわかります。
ただ、それなりに英語が読めるのであれば、さっさと応募してしまったほうがいいです。
ダメならダメで、失うものは何もないので。
実務経験ほど勉強になる(役立つ)ものはないので、
とりあえず「受かったらラッキー」くらいの気持ちで応募するのがおすすめです。
もし結果が良くなくても、相性の問題もあるので、落ち込む必要はありません。
翻訳コンテストを受けたりして実績作りをしながら、他に良いと思える会社を探していきましょう。
参考記事:英語翻訳コンテスト情報まとめ
翻訳に必要な英語力とは?
明確な基準はないのですが、「TOEIC900点以上」が一応の目安にはなりそうです。
求人情報を眺めていると、応募条件には実務経験を挙げている会社が多いです。
ただ、たまにTOEICスコアを条件にしている会社もあり、その場合は「900点以上」というのが一般的なようでした。
ただ、これは
「TOEIC900点以上ないと翻訳者に応募できない」
「TOEIC900点以上あれば翻訳者として採用される」
という意味ではないことに注意が必要です。
というのも、英語力(正確には英語のリーディング力とライティング力)は、翻訳力の1要素でしかありません。
翻訳力は、英語力のほか、日本語力、調査力、専門知識の量、一般常識、注意力など、いろんな要素の掛け合わせで決まるものです。
なので、その人の翻訳力は、英語力だけで「合格」「失格」とは判断できないと思います。
とはいえ、翻訳にあたって英語力が重要なのは言うまでもありません。
英語力が高ければ、それだけ質の高い翻訳ができる可能性は高まります。
また、実務翻訳で食べていくには、TOEICリーディングで450点前後が取れないレベルだと、かなり厳しいです。
※(専業ではなく)業務の1つとして翻訳も…という場合は、450点以下でも可能だと思います。
明確な答えがなく申し訳ないのですが、
とりあえずTOEIC900点程度の英語力があるならば、翻訳の勉強を始めたり、社内翻訳に応募したりしてみましょう。
ちょっと読解力が不安、、という場合は、まずは文法をざっと復習するといいと思います。
翻訳に関する資格はある?
まず初めにお伝えしておくと、翻訳者になるのに資格や免許は必要ありません。
翻訳会社に登録して仕事を受注すれば翻訳者、
会社の翻訳部門などに採用されれば翻訳者です。
ただ、フリーランスとして仕事を取るうえでプラスになる資格はあるので、以下で紹介します。
JTFほんやく検定
日本翻訳連盟(JTF)が実施する検定です。
初心者向けの「基礎レベル」の4級、5級と、実務経験者向けの「実用レベル」に分かれており、
「実用レベル」は、「政経・社会」「科学技術」「金融・証券」「医学・薬学」「情報処理」の5分野から1分野を選択。
審査により、1〜3級の合格or不合格と判定されます。
ここで1級か2級に合格すると、JTFのHPと機関誌に自分のプロフィールを掲載できます(希望者のみ)。
JTFには約220社の翻訳会社が加盟しているため、合格によって仕事を受注するチャンスが広がるというメリットがあります。
翻訳実務検定「TQE」
大手翻訳スクールのサン・フレアアカデミーが実施する検定です。
「IT」「電気」「医学・薬学」「金融・経済」「法務・契約書」など19科目にも細分化されているため、自分に合った科目を見つけやすいと思います。
3級以上に合格(100点満点で70点以上のスコアを獲得)すると、「翻訳実務士®」に認定され、母体であるサン・フレアに翻訳者登録をすることができます。
おわりに
今回は、翻訳者になる方法をまとめました。
ここで紹介したルートが全てではないですが、多くの人はこのような道を辿っているかと思います。
最初の一歩を踏み出すのは怖いし、誰しも不安になるものです。
私も、今の会社には「ダメ元」で応募しました。
不採用ならどうするかは、そのとき考えればいいや!という感じでした。
会社であれ、トライアルであれ、一度踏み出してしまえば後は進むだけです。
この記事が、翻訳に興味がある方の参考に少しでもなれば嬉しく思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!