こんにちは、えまです。
最近は、英語の基礎力向上に取り組んでいます。
その一環として読んだのがこの本。
英単語の語源図鑑です。
後ほど詳しく書きますが、
あらゆるレベルの英語学習者におすすめできる良書です。
表紙はなんとなく初心者向けの雰囲気がありますが、
中上級者が読んでもたくさん学ぶことがあるのではないかと思います。
そこで今回は、
・「英単語の語源図鑑」の対象レベル
・「英単語の語源図鑑」を読むメリット
・「英単語の語源図鑑」の使い方
についてお話します!
Contents
対象レベルは「初級~上級」
この本に載っている単語は、レベル(頻出度)ではなく「語源」をベースに集められています。
つまり、同じ語源を持つ単語であれば
・中学で習う基本単語
・英検1級を持っていても知らない上級単語
が同じページに載っていることが普通にあります。
ただし、割合としては中学~高校で普通に習う単語がほとんどなので、
誰が読んでも「難しすぎて読む気が失せる」ということはないはずです。
レベル別に本書を読む目的を挙げるなら、
・全員共通:語源を学んで英語の感覚を磨く
・初心者:英単語の全体像をつかむ
→単語の吸収率が格段に上がる
・中級者:これまでに覚えた単語の復習
→語源を学ぶと記憶が定着しやすくなる
・上級者:これまでに覚えた単語を深く理解する+知らない単語があれば覚える
という感じでしょうか。
1点気を付けたいのは、本書は意外と情報量が多いこと。
なので、初めて読むときから「内容をすべて頭に入れてやろう!」とは思わないほうがいいです。
まずは語源から学べる英単語の語感、感覚を取り入れることを最優先にしましょう。
本書は通常の単語帳のように「ガツガツ暗記」ではなく、英語の感覚を掴むために読むくらいでいいと思います。
そして、何回も繰り返し読んでいるうちに、自然に単語まで覚えてしまった・・・というのがベスト。
わたしも、1回目はできるだけ早く最後まで読み通すことを重視して、細かいところまでは読み込みませんでした。
また、本書の主役は、個々の英単語ではなく、あくまで語源です。
そのことを踏まえて、まずは紹介されている語源とその意味を理解し、覚えることに集中するのがおすすめ。
大まかな意味が頭に入ってきたら、それぞれの目的に合った使い方をすればよいと思います。
英単語の語源図鑑を読むメリット
この本を読むメリットは、「単語学習はもちろん英語学習全体が一気に加速すること」です。
以下、その理由を説明します。
単語の意味を推測する力が身につく
語源図鑑では、以下の語源が紹介されています。
①12のグループの接頭辞
・・・ad-(~の方へ)、con-(共に)、sur-(上に、超えて)など
② 103の語根
・・・attend の 「tend(伸ばす、向ける)」、conquest の「quest (求める)」など
本書で扱われているのは約1000語程度ですが、この本が他の単語帳と違うのは
「本に載っていない単語まで覚えやすくなること」
です。
普通の単語帳は、英単語→日本語訳(+その単語を使った例文)しか書いていないですが、
本書では先ほどもお伝えしたとおり、単語そのものより
単語の構成要素(つまり語源)
にスポットライトが当てられています。
なので、別のテキストなどを読んでいて本書には出てこない単語を見たときも
「接頭辞はこれで、語根はこれが入っているから・・・これはこんな意味かな?」
と推測できるようになります。
1+1が3にも4にも(場合によっては)10にもなる、それがこの本のスゴイところです。
「紛らわしい」と思っていた単語がはっきりと区別できるようになる
アルファベットの羅列を暗記するのは大変ですが、語源を学ぶことでそこに「意味」が生まれます。
わたしは、どうしても adopt と adapt がごっちゃになってしまっていたのですが、
●ad (~の方へ) + opt (選ぶ) ※option の opt ですね!
⇒ ~を選ぶ ⇒ 養子にする、採用する
●ad (~の方へ) + apt (適した)
⇒ 適した状態にする ⇒ 適応させる、適応する
という説明を読んで、もやもやした霧が晴れるかのように頭がスッキリと整理されるのを感じました。
これまで似ていると思っていた2つの単語が、一瞬でまったく異なるもの同士に見えるようになる。
ついさっきまで見分けがつかない単語が、語源を知っただけで「もう間違えようがないじゃん!」と思えてしまう。
この本を読むと、こういう小さな革命がたくさんおこります。
読んでいるだけで「あれ、どっちだったっけ…」がどんどん解消されていくのが純粋に楽しいです。
単語の「暗記」ではなく「習得」ができる
単語学習というと、とにかく「暗記作業」というイメージが強いのではないでしょうか。
わたしも高校時代、どうしても単語が覚えられなくて紙に何度も書いて、ムリヤリ覚えようと頑張ってました。
こういう覚え方って、手が疲れるのでたくさんの単語を覚えるには向かないうえ、
長期的な記憶になりづらい(単語テストが終わったらすぐに忘れてました・・・)です。
せっかく頑張っでも、それではもったいないですよね。
ですが、こちらをちょっと見てください↓
avoid = a (~の方へ) + void (無) ⇒ 何もない方へ ⇒ 避ける
これ、すごくないですか??笑
「avoid=避ける」というのは知ってましたが、まさかこんなふうに分解できたとは…!
単に「避ける」を覚えようとするのではなくて、
「何もない方へ…だから、『避ける』なのか!!」
と理解して覚えたほうが、100倍覚えやすいし忘れづらいですよね。
単語学習を”ただの暗記” “苦行”だと思っていた人は、この本を読むと
「英単語ってこんなに面白いものだったんだ!」と驚くんじゃないかなと思います。
実際、「英単語と日本語訳」のセットを覚えるだけでは、ライティングや英会話では使いこなせません。
たとえば think と suppose は、たいていどちらも「思う」と辞書には書いてありますが、
su(p) (下に) + pose (置く)
⇒ 仮定する
という成り立ちを知ると、suppose は think よりも確信度がやや弱いというイメージがわくのではないでしょうか。
こんなふうに、語源を学ぶことによって、
辞書に載っている日本語訳では表現しきれない単語本来の意味やニュアンスが理解できる
ようになります。
正確な意味やニュアンスが伝えられるようになると、英文も洗練されますし、会話もより弾みますよね。
単語がもつ複数の意味がグッと覚えやすくなる
例えばsubmitという単語。
辞書には「提出する、服従させる」とだけ書いてあります。
「なんで同じ単語なのに、全然違う意味をもってるの・・・?こんなの覚えられん!」
と、高校生の私は思いました。
でもこちらを見てください(104頁)
上のイラストの例のように、
・下に送る ⇒ 提出する
・下に行かせる ⇒ 服従させる
と考えると、途端にスッと頭に入ってきませんか!?
まったくバラバラのように思えた2つの意味が、
「下に行かせる」
という1つの概念にまとまったのです。
わたしはこれを見て、ちょっと感動すら覚えました(笑)
こうやって語源から単語を学んでいくと、
たくさんの単語が覚えられるだけでなく
ある単語がもつ(日本語では)複数の意味も覚えやすくなるわけです。
また、この本はすべての単語にイラストがついているので、よりイメージがつかみやすくなってます。
いわゆる「単語帳」ではありませんが、
「覚えやすさ」「理解の深さ」「応用範囲の広さ」からみると、これに勝る単語本はなかなかないのでは?
とくに、英検1級以上の単語すら簡単そうに見える(し、実際にさらっと覚えられる)のにはびっくりでした。
もちろん、普通の単語帳を使っても、この本を使っても、1~2回読んで全ての単語を覚えるというのは難しいと思います。
ただ、両者で圧倒的に違うのは
記憶のフック(=「あぁそうだった!」という記憶を引っぱり出すときのとっかかり)ができるかできないか
です。
この本は、一つひとつの単語に必ず「記憶のフック」が仕掛けられています。
これが、単語学習をこれまでとはケタ違いに速く、深いものにしてくれる秘密となっています。
英単語の語源図鑑のおすすめの使い方
この本を読むメリットをたくさん語ったところで、わたしが行っている本書のおすすめの使い方を紹介します。
この本を活用して語源を体系的に学び、今後の英語学習に役立てたいという方は是非チェックしてください。
STEP① 全体を通読
しつこいようですが、まずは全体像をつかむことが大切です。
わたしは、1日2チャプターずつ読み進めて、1週間ほどで1回読み終えました。
心がけたのは、1ページにあまり時間をかけず、さらっと「へー」「ふーん」と楽しみながら読み、けっして書いてある内容を覚えようとはしないことです。
1単語に対して
イラスト・接頭辞・語根・語源が表す意味(その単語のもつ概念)・日本語訳・発音・派生語・例文
と、かなり網羅的に情報が整理されてます。
これ自体は非常にありがたいのですが、じっくり読んでたら1冊読み終わるのに1か月くらいかかるのではないでしょうか?
そうすると、1か月後には最初のころに出てきた内容をすっかり忘れてしまうという事態がおきます。
なので、最初はあまり気張らず、暗記ではなく「理解」と「イメージ」を大切に読み進めてみてください。
STEP② 接頭辞と語根をピックアップした語源表を作成
前述のとおり情報の詰まった内容がかなり濃い本ですので、1回読んだだけではこの本を自分のものにするのは難しいです。
イラストが多く読みやすいとはいえ、何度も読み通すのは大変だし、時間がかかってしまいます。
1周するのに時間がかかるほど、回転数が少なくなり、なかなか頭に入りません。
そこで、おすすめしたいのが、本書の「根幹部分」を抜き出した語源表を作ることです!
↓こんな感じで作りました(鉛筆の書き込みは、STEP③で説明します)
上の段が接頭辞、下の段が語根です。
語源だけではイメージがわかないものも多いので、
紹介されている単語も書き出しています(日本語訳はなし、英単語のみ)。
STEP③ 語源表を見ながら、覚えていない単語のみ本を参照して確認
たとえば接頭辞のad-であれば
1. ad-が表す意味「~の方へ(を)」を確認
2. adventure, address, adopt, admire, arrest, adapt, allure, allotの各単語の意味がわかるかチェック
→ 意味がわからない単語は、本書の該当ページに戻って①語源と②日本語訳を確認し、鉛筆で語源表に書き込む
3. どんな語源に分解できたかが思い浮かぶかチェック(余裕があれば)
→ adventureなら…
「ad (~の方へ) + vent (行く) + ure」だから、「~の方へ向かっていく⇒冒険」
こんな感じで、語源から意味が導きだせるかを確認する。
→ この語源から意味を導く流れが思い出せない場合、本書の該当ページに戻って語源を確認し、鉛筆で語源表に書き込む
3.について、「どうして単語の意味は覚えているのに、わざわざ語源を確認する必要あるの?」と思われるかもしれません。
それは、語源を含めて習得することで、その単語の意味がより深く正しく理解できるからです。
ただ、後にもお伝えするとおり、語源は単語を覚えるための手段であり、語源自体を覚えることが目的ではありません。
なので、まずは2.の作業で止めておき、「意味のわかる単語」を増やすというのも、もちろん効果的だと思います。
ちなみにわたしも、まずは2.だけチェックして、そこでピックアップした単語を覚えてから 3. に進みました。
こうして単なる要点まとめ表(これだけでも役立ちますが…)だったものが、自分の弱点をフォローした「マイ語源図鑑」に仕上がっていきます♪
STEP④ 語源表に繰り返し目を通す
STEP①で
本書のキモとなる語源(10の接頭辞と103の語根)
+
自分がこれから覚えるべき情報が凝縮された表
が用意できました。
あとは、この自分仕様の語源表を脳に染み込むまで繰り返し読むのみです。
本を繰り返し読むのと比べ、圧倒的に短時間で要点を復習できてしまいます。
作成するのに多少手間はかかるものの、1日もあれば作れます。
1度作ってしまえばずっと使えるし、語源はそれをするだけの価値がある知識だと思います。
もちろん、時間ができたときに本を読み返したり、ふと気になった単語のページだけ確認するというのも記憶の定着に役立ちます。
それとは別に、日常的にこの表を眺めれば、
語源の知識がいつのまにか身に付いていくはずです。
本書を活用する上での注意点
繰り返しになりますが、本書には1つだけ注意点があって、それは
必死に覚えようとしない
ということです。
いくら語源の意味をカンペキに覚えても、それは単語を覚えるための「手段」にすぎません。
語源はたしかに非常に有用ですが、あくまで「手段」であって、「目的」ではないですよね。
大切なのは、語源の知識を使って
たくさんの英単語の正確な意味を習得し、使いこなせるようになること
のはず。
なので、語源表とにらめっこして、一言一句暗記しようとするのはやめましょう。
日本語訳はあくまでイメージを膨らませるためのとっかかりです。
日本語を覚えようとしなくてOK(そのうち覚えようとしなくても覚えちゃいますが)、
それぞれの語源がもつイメージを頭の中に描くことが重要になります。
イメージができなかったら、本書の該当ページに載っているイラストを見て
「ああ、そうだった!」と思い出しましょう。
あとは、身につけた語源の知識を活用して、
自分が取り組んでいる単語帳の単語の習得に力を注ぐのが効率的だと思います。
まとめ
さいごに、今日ご紹介した本書の活用法をおさらいしておきます。
STEP① 全体を通読
STEP② 接頭辞と語根をピックアップした語源表を作成
STEP③ 語源表を見て覚えていない単語のみ本を参照して確認
STEP④ 語源表に繰り返し目を通す
語源から学んでいくと、手こずっていた単語が嘘のようにスッと頭に入ったり、これまで気づかなかったおもしろい発見があったりと、単語学習に変革がおきます。
また、語源表を作る過程で、英語の感覚が掴めてきたように思いました。
言葉で表現するのは難しいのですが、なんとなく「英語ってこういう言語なのね」というのが体得できてきたような気がします。
もちろんまだまだ修行が必要なのは言うまでもないですが、語源を知ることで英語の勉強がより楽しくなったのは間違いありません。
というわけで、これからもボキャビル頑張っていきましょう😊